もう50年以上も前のこと。
当時アメリカでは、まだまだエレベータが付いている建物自体が少なく、エレベーターがあっても数が少ないという状況でした。
その増設というのは、既にある建物の床と天井をぶち抜く改築工事をしてエレベーターを増やすというのがあたり前でした。
エレベーターの増設
アメリカのエル・コステスというホテルで、エレベーターを増設するという案がでました。
依頼を受けエレベーターのプロフェッショナル達は、ホテルに向かいました。
ホテルに着くと、さっそくホテルの設計図を眺めながら、エレベータをどこに設置するがベストなのか調査をしました。
「この階段横の部屋を全部潰して、エレベーターにするのが良いですかね?」
「それも良いけど、あっちの角の方も良いじゃないか?」
「ああ、そうかも知れませんね・・・ホテル側と相談してどちらかにしましょう。」
偶然出会った掃除のおばさん
ホテルの責任者のところへ向かう途中、廊下で掃除をしているオバサンがいました。
「オタクたちは、何してるんだい?」とエレベーター業者に尋ねました。
「我々は、エレベータをここか、あそこかのどちらかに設置しようか検討していたんです。」
「やれやれ、そんな事じゃ部屋数が減ってしまうし、改築中は他の部屋もお客さんが入れれないから売上が無くなってしまうじゃない・・・大損だね・・・」
エレベーター業者「でもねオバサン。今後はエレベーターが足りないくて階段を使わせるホテルじゃ誰も泊まらなくなっちゃうんですよ。だから今の内に対策をしとかなきゃなんですよ。」
「そんなことは知ってるよ。エレベーターは賛成なんだけどその間休業しなきゃいけないし、部屋を減らすことになるし、工事なんかしたらホテルの建物自体がボロボロになっちまうよ。」
「だったらどうしろって言うんですか?」
「そうだねぇ~・・・じゃあホテルの外側にエレベータを作って、繋げるってのはどうだい?」
建築アイデアの発祥
おばさんの一言をきっかけに、エレベーターを増設する技法が変わりました。
このアイデアは、建物に手を加える箇所が最低限で済みます。
ですから建物が悪くなることも少なく、部屋や空間を減らす必要もありません。
もちろん、コストの面でも従来のものより安く抑えることができたのです。
そしてこのアイデアは、このホテルだけでなく色んな建物で使われるようになりました。
専門家ではなく、素人であるホテルの掃除のおばさんのアイデアで、です。
まとめ
このように良いアイデアというのは、至る所にあるわけです。
そして、必ずしも専門家が生むものではないということ。
違う業種の人や全く違う畑の人でも生むことができるということです。
あなたのビジネスでは、アイデアは作るものでしょうか?
発見するものでしょうか?
それともパクるものでしょうか?
ビジネスを急成長させるアイデアを考えてみませんか?