日本の鉄道が選ばれない理由から学ぶこと

 
日本の技術力というのは、世界中で高く評価されています。
日本の鉄道は世界一の安全品質だという声も世界中に少なくありません。

我々日本人には、当たり前の安全性やクオリティも海外の人からみると、ここまで拘るのか?って驚くことが多いようです。
時間通りに到着したり、300km以上の速度を出しても安定・安全な新幹線は他国には真似ができないようです。

しかし、日本が兼ねてからODA(政府開発援助)を行っていたインドネシア高速鉄道の受注が失敗しました。
政府の開発支援を行っていたにも関わらず、突然入ってきた中国の方に受注が決まってしまったんです。

これには賄賂だとか、新日派が更迭されたからだとか、親中派だとか色々な意見が多いようです。

結局のところ、どんな批判的な言葉が出ても意見は意見。
受注が取れなかったという事実は変わりません。まさしく後の祭りです。

日本は支援を行っていたので受注が取れないというのは、大金を失ったことになってしまうようです。
ちなみに、地質調査にかかった費用だけでも2億6000万だと言われています。

何故、契約がとれなかったのか?
これは大きなプロジェクトのビジネスですから、賄賂だとか政治関係ということを抜いて考えてみたいと思います。

日本の鉄道が選ばれなかった理由その1

中国はデータを改ざんしている。

以前、中国の鉄道が脱線し死者がでました。
それを隠ぺいするために、中国政府は生存者がいるかも知れない状態なのに列車ごと土に埋めてしまったという事件があったのも記憶に新しいと思います。

隠ぺいをしたことにより、中国は高速列車での「安全神話」を日本と同じように語っているわけです。

あのイメージがあるからか、中国の鉄道というのは極めて危険な乗り物だと感じてしまっていますが、データ上では中国の鉄道も安全だったということです。

中国は、日本がベネフィットとする安全な高速鉄道と同じ土俵に無理やり上がってきたことになります。

日本の鉄道が選ばれなかった理由その2

コストの安さと工期の短さ。

インドネシアは経済状況から、お金を借り入れないと高速鉄道をつくることは不可能です。
日本は商品を安く出し、利息をとる方向を提案。

一方、中国というのは、物価が安く労働対価が安い国です。
中国バブルのおかげで労働対価が上がったとはいえ、まだ日本の足元にも及びません。

中国政府が持つの労働対価と、日本の民間企業の労働対価では金額の差が歴然です。

中国は納期の速さもポイントにしました。
インドネシアの現大統領ジョコ氏が人気中に鉄道を完成させることを約束したわけです。

日本の鉄道が選ばれなかった理由その3

インドネシアの求めていたものを理解できていなかった。
ということです。

日本はこれまでのインドネシアの援助関係から日本が優位に立っていると確信していたはずです。
そして、コストパフォーマンス、品質、スピード、耐用年数、安全性すべての面でどこよりも勝っていると自負していたはずです。

でもインドネシアはそこまで価値があるものを求めていなかったわけです。

これは外食産業と似ています。

日本は高級割烹店での松坂牛やマツタケをおススメしていたわけです。
国民もきっと喜びますよ~と。

でも中国は早い・安い・手軽なファーストフードをおススメしていたわけです。
日本は高いけど、そんなに価値がありますか?ってね。

まとめ

良い品をつくれば、勝手に売れる時代は終わりました。

職人さんが日本から減っているのを観れば一目瞭然ですよね。
個人的には、寂しい限りですが、相手によって商品やセールス法が変わるという良い事例になったと思います。

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