ビジネスというのは、心理学と密着しています。
でも心理学はとても奥が深く、とても難しいものです。
そして、苦労して学んでもビジネスに応用することがとても難しいんです。
そこで今日からビジネスで簡単に使える心理学29の効果、原理・法則を紹介したいと思います。
行動心理、経済行動学がメインですので、営業や販売、マーケティングやコピーライティングにも使えます。
なので、どんどん取り入れて使ってみてくださいね。
目次
- 1.ハロー効果を活用して印象を植え付ける
- 2.フレーミング効果で印象を変える
- 3.松竹梅の法則とは?
- 4.社会的証明の原理
- 5.マッチングリスク意識を取り除く
- 6.カタルシス効果で信頼される営業マンになる
- 7.アンカリング効果
- 8.テンション・リダクション効果で売上を飛躍的に上げる
- 9.返報性の原理
- 10.希少性の原理を利用して商品価値を高める
- 11.大ヒット商品を作り出すバンドワゴン効果
- 12.ヴェブレン効果
- 13.幅広く使える、類似性の法則
- 14.ウィンザー効果
- 15.本当に困ったときに使える、アンダードッグ効果
- 16.片面提示・両面提示
- 17.ディドロ効果
- 18.簡単にできる!バックトラッキング
- 19.ミラーリング効果で距離を縮めよう
- 20.ピグマリオン効果で全体のモチベーションを上げる
- 21.ゴーレム効果
- 22.文脈効果とは
- 23.バーナム効果による集客
- 24.カクテルパーティー効果で注目を集める
- 25.ロミオとジュリエット効果で注目度が変わる
- 26.すぐに断らせないテクニック
- 27.フットイン・ザ・ドア(段階的要請法)で難易度の高い要求を受け入れてもらう
- 28.権威への服従原理とは?
- 29.ザイオンス効果(ザイアンス効果)
- 全体のまとめ
1.ハロー効果を活用して印象を植え付ける
第一印象が大事。
これはよく使われる言葉ですよね?
使い古された言葉ですが、それでもやはり第一印象が大事なことには変わりありません。
例えば、もしあなたが初対面の人5人と会った時、誰が優秀であるかを何で判断しますか?
それは第一印象ではないでしょうか?
とくに見た目の清潔感、学歴、役職、意外なコネ、これらは人に大きな印象を与えます。
それが一般的に高評価であればあるほど大きな印象を与えるわけです。
見た目や学歴、役職などでは「本当にその人が優秀であるか」「人望もあり実績を残しているか」は判断できません。
なのに、あたかも「優秀である」と思い込むわけです。
他者が劣っているとすら見えてしまう場合すらあります。
これがハロー効果というものです。
まとめ
「難関国立大学出身」「医者」「大企業の社長の息子」これだけで印象が違うように感じますよね?
これをビジネスに活用すると、立場を優位に持っていったりできるわけです。
例えば、150年続く老舗、3年待ちの整体師とかそういう角度でも、第一印象は変わってきます。
あなたの会社や営業マンが使えるハロー効果探してみてくださいね。
2.フレーミング効果で印象を変える
良い印象を与える。
これはビジネスにおいても重要なことです。
そしてその印象とは、現実や実態よりも表現で大きく変わるものです。
しかし表現が大切とはいえ、過剰すぎたり現実とかけ離れていては意味がありません。
それどころか、信用を失うこともありますので逆効果になることもあります。
そこで使えるのがフレーミング効果です。
実際の成果や成功率が低いものでも、表現によっては相手に好印象を与えることができます。
1.Aは3回に1回シュートを成功させる
2.Aは9回に7回シュートを外す
1.Xは20%の確立で10万円勝てるギャンブル
2.Xは80%の確立で5万円失うギャンブル
これらをある事柄において、どちらも事実であるとします。
結果としては同じ意味であっても、1の表現のほうがポジティブな印象を受けませんか?
実際これらは宣伝文句や実際より良くみせるための方法としていたるところに溢れています。
ビジネス以外での用途も見込める、基本的な心理学のひとつです。
まとめ
このようにフレーミング効果は、簡単で多様性のある印象付けのひとつです。
言い換え、単位の変更などで消費者や取引相手からネガティブに見えてしまう部分を外し、ポジティブな部分をアピールすることで心を簡単に掴みましょう。
ただし、やり過ぎは逆効果になってしまいますし、きちんとネガティブなことも理解してもらうことも大事です。
3.松竹梅の法則とは?
複数の価格設定、特に高級料理店などでコースを選ぶときに基準となるものはなんだと思いますか?
特別なこだわりがない場合、内容ではなく、真ん中の価格帯という基準で選ぶ人が一番多いようです。
例えば、直接食べたことのない店の料理で、メニュー表を見ながらゆっくり決めている時間もないとします。
松コースが8,000円、竹コースが5,000円、梅コースが3,000円だった場合、どのコースを選びますか?
何に関しても、一番安いものには不安や物足りなさを感じてしまうような気がしますよね?
一番高いものには、必要以上の高級感があるような気がしますし、財布との相談も必要です。
これには多くの人が共感できると思います。
で結果、多くの人は感覚的に「普通」である真ん中のコースを選ぶ傾向にあるというわけです。
まとめ
実際にこの法則を利用したビジネスは多く存在しています。
お客さんに選ばせているようで、実際は提供する側が選ぶことによって利益が上がるからです。
一番利益の出るもの、売りたいものを中間の価格に設定し、上下は中間を基準にして設定すれば良いのでメニュー表がある店舗などはぜひ取り入れてみてくださいね。
4.社会的証明の原理
「売れているから」という理由だけで商品を選んだことはありませんか?
たとえば日用品を購入する際、他の商品は棚にたくさん積まれている。
なのに、残り1個だけの商品があった場合、買わないと損するような気持ちになることがあります。
商品購入の場だけではありません。
街中や店内で人だかりができていると気になったり、ランキング1位の商品が良いものように感じられたりすることもあると思います。
「大勢に選ばれているものだから良い商品に違いない」
これは多くの人、特に協調性を大事にする僕たち日本人にはよくある傾向です。
機能や素材、価格よりも、受けた印象や気持ちが購買意欲に大きく関わるんです。
商品が高額であったり、他にも選択肢がある場合、お客さんには迷いが生じます。
迷っているお客さんに、機能性や他の商品との違いを説明するよりも
「10万円前後ですと、おおよそ8割の方がこの薄型タイプを購入されています」
と伝えるほうが、お客さんは商品に対して信頼を置くことになります。
まとめ
多くの人に選ばれているという事実が、迷いが生じている人に安心感を与え、購入意思へつながります。
これが社会的証明の原理です。
同年代、同業種の人など共通点がある人から多く選ばれているといればなおさら効果的と言えるでしょう。
5.マッチングリスク意識を取り除く
人間は多かれ少なかれ、あらゆることに不安を感じています。
経済的なことであったり、家庭のことであったり、その対象はさまざまです。
商品を購入する際にも、本当に必要だろうか?
買って後悔しないだろうか?と思うことは少なくないはずです。
この不安のことを「マッチングリスク意識」といいます。
購入決定してもらうためには、この不安や躊躇を取り除く必要があります。
そのためにはあらかじめ、不安要素を解決させておく必要があります。
よく使われているのが「返金保証」「口コミ」「サポート」「無料体験版」「よくある質問」です。
このように、他の人の意見や、サポート体制、お試し版などを作ることにより、不安が取り除かれ安心して商品購入に踏み切ることができるのです。
まとめ
気になるけれど・・・
欲しいけれど・・・
なんとなく不安。
そんな心理を先読みし、保証があれば気に入らなくても返品でき、これだけ口コミがあれば良いものに違いないと、購入意思を遮らない工夫をすることによって売り上げも大きく変わるのです。
クロージングの際に買わない理由を潰しておくということにもつながります。
6.カタルシス効果で信頼される営業マンになる
営業の基礎は信頼関係です。
成績の良い営業マンは、必ず取引先や顧客との信頼関係を築いています。
「○○さんはいつも自分の話を親身に聞いてくれる」
「○○さんならわかってくれる」
「○○さんと話すと、すっきりする」
これらにはカウンセリングのような側面もあり、一度築いた信頼関係は長期間続きます。
信頼関係を得るためにはカタルシス効果を利用するのが最も手早く簡単です。
カタルシス効果とは相手の不安やストレスを取り除くことによって安堵感や安定感を得ることをいいます。
一番簡単な方法は、しっかりと相手の目を見て話を聞き、うなずいたり、適度な相槌を打ちながら共感するだけです。
自分の意見を強く出すと、否定されたと受け取られることもあるので、基本的にはオウム返しが一番無難でしょう。
否定したり、途中で話題を変えたりすることなく相手の話を聞いてあげることで、「この人は信頼できる」「この人から買いたい」という気持ちが芽生えるのです。
まとめ
商品そのものの価値や値段よりも、感情から生まれる信頼関係のほうが顧客獲得への近道です。
このカタルシス効果は営業の場面だけではなく、「頼りになる人」と思われるための方法でもあります。
7.アンカリング効果
このアンカリング効果は、ネット、広告、街中などいたるところに溢れています。
A.販売価格(7,800円)だけを表示し、激安、お得などの文字を付け加える
B.定価や希望小売価格の12,000円を記載し、それに取り消し線をつけ、販売価格(7,800円)を目立たせる
AとBは、どちらが得だと感じますか?
Bのように定価など基準となる値段を掲示することにより、具体的なお得感を感じることができるはずです。
値段交渉の場では、はじめから売りたい額を掲示するのではなく、相手が高いと感じるくらいの値段を基準値とすることが多いのです。
そして徐々に値段を下げ、値段交渉の末にこの値段になった、と思い込ませることが重要です。
先行販売や●●人数限定という設定も効果的です。
まとめ
ネットビジネスでこの方法を使うには、大手サイトでもよく使われているように基準の値段がある、ということを示しておくのがポイントです。
ただし二重価格は違反ですので気をつけましょう。
8.テンション・リダクション効果で売上を飛躍的に上げる
商品購入後にそれまでの緊張が解かれ、余計なもの、本来不必要であるものまで買ってしまうような効果をテンション・リダクション効果といいます。
これは、クロスセルという戦術によく使われています。
欲しかったものを買ったあとに「これもどうですか」「他のかたはこれも一緒に購入されていますよ」などと言われると、ついつい興味を持ってしまいがちです。
これを商品購入前に提案されると、いろいろ押し付けられているような気になったり、無駄な出費のように感じるはずです。
しかし商品購入直後の場合は、すでにお金を使っています。
ですから警戒心や緊張が普段よりも緩んでいる状態になるわけです。
そのため「ついでに買ってみよう」「他の人も一緒に買っているなら無駄にはならないだろう」という気持ちになるのです。
このような行動心理はネットビジネスや実際の店舗でも多く使われています。
家電量販店でプリンターを購入決定したあとに、安価な写真用紙やコピー用紙やインクなどの関連商品を勧められると、そこまで深く考えずに購入してしまうってことがあるんじゃないでしょうか?
まとめ
これをインターネット上のビジネスで活用するには、購入後の画面に付属品や関連商品を表示させると効果的です。
また、購入後の連絡メールに関連品の簡単な紹介文とURLを記載する、などといった手法があります。
9.返報性の原理
何かしてもらったら、自分も何かお返ししなければいけないという気持ちになるってことありますよね?
これが返報性の原理です。
日常生活の中でも「別にお礼はいらないよ」「好きでやったことだから気にしないで」と言われても、そのまま何もせずにいるより、形だけでもお返しをしたほうが気が楽になった経験があると思います。
試食販売や無料相談など、お金を支払っていないのにサービスや物を提供してもらった場合、そのまま放置しておくのはすっきりしない人が多いのです。
自分に向けられた親切心を無視できない、この心理はビジネスに有効活用できます。
まとめ
不特定多数の消費者に向けても効果的ですし、取引先などビジネスにおける関係性であれば大きな収益が継続的に見込めるのです。
返報性の原理を活用すれば「今までの恩」「前回のお礼」「こちらだけが助けてもらうわけにはいかない」という心理から、こちら側から動かなくても収益や信用を得られる機会が増えます。
10.希少性の原理を利用して商品価値を高める
期間(時間)限定・在庫限り・先着○名、こういった宣伝文句をよく見かけますよね?
消費者はこれらの宣伝文句を「今しか買えない」「買える人数が限られている」「他の場所では売っていない」と受け取るので、実際の価値よりも良いものと感じる傾向があります。
よく考えると必要がないものでも、「これ逃すともう買えない」という思いが先に立つのでついつい買ってしまうのですね。
それを買ってどうするか、よりも、それを買わないで損すること、をイメージしてしまうんです。
ゆっくり考える時間を与えず「損したくない」という思いを購入に繋げているのです。
これが希少性の原理です。
まとめ
テレビショッピングやスーパー、家電量販店など、さまざまな場所で「希少性の原理」を活用したビジネスを目にします。
特別感を協調したり、付加価値をつけることで、さらに興味を集めることができます。
商品そのものではなく、売りかたを工夫することで注目度は格段に上がるのです。
11.大ヒット商品を作り出すバンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、多くの人に注目されていたり人気がある商品に、消費者は安心感や満足感を得るというマーケティング用語です。
わかりやすい例をあげると、行列ができている話題の飲食店に行くと、他の店より美味しく感じる現象です。
こんなに多くの人が並んでいるのだから美味しいのだろうという心理や、あの行列店に行ったことで周りと同じ満足感を得られたという安心感が影響しています。
これは、周りと同じでありたい、はみ出したくない、という思いが強い我々日本人には特に効果的です。
今まで流行ってきた商品やコンテンツは、このバンドワゴン効果により爆発的にヒットしたものがほとんどです。
まとめ
「○○部門1位」や「今これが人気です」「多くの人に選ばれています」といった文言が宣伝に多く使われているのもその影響です。
意図的に「多くの人が購入、経験している状況」や「流行」を作り出すことで、バンドワゴン効果が発生し、大きな集客が見込めます。
12.ヴェブレン効果
ヴェブレン効果とは、ブランド品など高額なものほど購買意欲が増す効果のことです。
安くて良いものが売れるのは当然ですが、高いほうが売れるというのは不思議ですよね?
これは「自己顕示欲が強い人やステータスが欲しい人は、価格が高ければ高いほど満足感を得る」という心理を利用したものです。
万人に共通することではありませんが、高額であるほど売れる、という点では大きな収益が見込める戦略と言えます。
まとめ
バッグはある程度の壊れにくさと収納があれば良い、時計は時間がわかれば良い、車は安全に走れれば良い、そう思う人も多いでしょう。
それなのに多くの高級品があり、それらが憧れの象徴になる理由は、それらが特別であるからです。
価格が上がるほど特別感も上がり、それを手に入れることで特別な存在であると思いたい人が少なからずいるのも事実です。
13.幅広く使える、類似性の法則
人間心理として、自分と共通する事柄があると親近感を持ちやすいものです。
出身地や趣味など、ささいなことでも話題は無限に広がります。
これはどの場面でも言えることなので、ビジネスでも活用できます。
特に初対面の相手や、セールスの場において、急接近できる絶好のチャンスです。
一度でも親近感を持ってもらえると、他の条件が悪くても目をつぶってもらえることが多いものです。
かと言って、趣味趣向や出身地などが多くの人と共通するわけがありません。
そんなときは、興味があるふりをするだけでも相手の印象は変わります。
「昔からやってみたいと思っていたんですが、詳しい人がいなくて」
自分が好きなものに対してこう言われたら、ついつい話したくなる気持ち、相手を気に入ってしまう心理わかりますよね?
この類似性の法則をビジネスに活用し、自分の評価や購買率を上げましょう。
14.ウィンザー効果
ウィンザー効果とは、直接得た情報よりも第三者などを経由して得た情報のほうが影響が大きくなる心理効果です。
日常生活でもこの効果を感じたことがある人は多いはずです。
例えば直接褒められるとお世辞っぽく聞こえることでも、別の人から「彼女があなたのこと素敵って言ってたよ」と言われると真実味がありますよね?
特別欲しいと思っていなかったものでも、友人や同僚が「これを使うとすごく便利だ」と言っていたせいでつい自分も買ってしまった!
なんて経験がある人もいるでしょう。
このような心理効果はWEBマーケティングの場においても効果抜群です。
最近多いのは、フェイスブックやツイッター、ブログなどを利用し、口コミで商品の宣伝をする方法です。
商品説明のページや宣伝広告を見るよりも、第三者の声に影響される人が多いのです。
「実際に使った人に良いと思われている」という事実が多ければ多いほど信憑性も増します。
SNSが普及している現代は、口コミやモニターの感想を多用することで大きな集客効果が見込めるのです。
15.本当に困ったときに使える、アンダードッグ効果
TVドラマでもスポーツでも負けているほう、弱いほうを応援したくなることがありませんか?
不利な立場や追い込まれている状況の人・可哀そうな人を応援したくなる心理、これがアンダードック効果です。
これは営業の場面でも使える行動心理です。
しかし、むやみに同情を買おうとするのは逆効果です。
「売り上げが達成できそうにない」
「このままではクビになってしまうかもしれない」
これをむやみに使うとただの無能な営業マンに見えるでしょう。
無能に見えてしまったらこれは逆効果なわけです。
しかしある程度の信頼関係があれば、正直に「買って欲しい」「助けて欲しい」と訴えかけることで、相手が情で動いてくれることもあります。
まとめ
弱さや隙を見せるのは逆効果のように思えるかもしれませんが、時と場合によってはこのアンダードッグ効果で状況が一変することもあります。
人間はビジネスの場でも情に流されることがある、ということを覚えておくと良いですね。
16.片面提示・両面提示
メリット・デメリットの双方を伝えることを両面提示といいます。
そして、メリット・デメリットのどちらかしか伝えないことを片面提示といいます。
あまりに上手く行き過ぎた話、良い部分しかない商品だと逆に不信感を抱くものです。
自分にとって都合がいい話ばかり聞くと、うまい話には裏があるものだと疑ってしまいます。
完全な商品、完璧なサービスを万人に提供することは不可能です。
程度の差はあれど、リスクやデメリットはつきものです。
営業や商品説明で良い部分しか説明しなかった場合、強引に売り込まれているような感覚に陥ります。
この不信感を回避するためには、デメリットをいかに上手く伝えるかが重要です。
言い回しも大切ですが、きちんとデメリットも説明してくれたという部分が信頼に繋がります。
まとめ
商談の場などでは、デメリットを打ち消すメリットを重視してもらえるように簡潔に提示することが効果的です。
17.ディドロ効果
人の買い物に対して、「よくそんなものに大金を使えるな…」と思ったことはありませんか?
物やサービスの価値は人それぞれです。
例えばここ最近だと、ソーシャルゲームのキャラクターや、回数制限解除などに対して大金をつぎ込む人が増えています。
一度、自分の中で価値があると判断してしまうと基準を下げられなくなってしまうわけです。
このディドロ効果は、高級品やブランド物をたくさんもっている人によく当てはまる傾向でした。
ブランド志向の人以外にも、一般的な金銭感覚の人にもこのディドロ効果は当てはまります。
普段は節約していても、趣味に関連するものとなるとお金を使ってしまったり、実際に必要ではないものまで揃えたりしてしまう心理がディドロ効果です。
まとめ
人が持つ収集癖や所有欲、これらを利用して「本当は欲しいと思っていなかったもの」でも「欲しい」と思わせるのは難しいことではありません。
商品の画像やディスプレイを、統一感を意識したり、全てあるほうが良く見えるように配置するだけで、あたかもそれが基準であるかのように思えるのです。
この作戦で関連商品が連動して売れていくことは多く、あらゆる店舗、ネットビジネスでもよく活用されています。
18.簡単にできる!バックトラッキング
バックトラッキングとは、オウム返しすることです。
自分の話をきちんと聞いてくれているか、これは相手が共感や理解を示してくれているかで判断されるものです。
意見交換の場では別ですが、それ以外の多くの場合、きちんと話を聞くことで信頼されたり親しみを持たれます。
「最近、機械の調子が悪くて困っているんだ」
「機械の調子が悪くて困っていらっしゃるんですね」
「電源が入らないときがあって」
「電源が入らないのですね。どのくらいの頻度で、電源が入らないのですか?」
このように、相手の話をオウム返しして受け止めることが大切です。
またこのバックトラッキングには、確認してあげることで、話す相手の頭も整理されるというメリットがあります。
対処方法や原因がすぐわかる場合でも
「最近、機械の調子が悪くて困っているんだ」
「メンテナンスをしていないのではないですか? この作業は試しましたか?」
この流れでは、相手の気分を害したり親しみが感じられないととらえられるかもしれません。
どんな技術や性能も、会話ひとつで良くも悪くも変わるということを理解して取り組むとスムーズに進みます。
19.ミラーリング効果で距離を縮めよう
好きな人や憧れの人の仕草や持ち物を真似てしまう、こんな経験はありませんか?
人は好意を持った相手と同じようでありたいという心理から、無意識のうちにその人の真似をしてしまうことが多くあります。
これは相手にとっても同じことです。
自分に似たところがあると、親近感を覚えたり好意を持ったりします。
このミラーリング効果はビジネスシーンでも大いに活用できます。
例えばセールスマンが同じ商品を売りにきたら、親近感のある相手を選ぶのは当然のことです。
では初対面の相手に親近感を持ってもらうにはどうしたら良いのでしょうか。
これはとても簡単です。
- 目線の高さを合わせる
- 声のトーンやテンポを合わせる
- 相手と同じことに興味を持つ
これらをできるかぎり実践してすることで相手は「自分に似ている」と思ってくれるのです。
これだけのことで好印象を持たれたり、覚えられたりするので日常的に実践すると良いですね。
20.ピグマリオン効果で全体のモチベーションを上げる
ピグマリオン効果とは、期待されたり良い評価を得ることで意欲的になることです。
仕事は顧客や取引先だけが相手ではありません。
スタッフや社員は、同僚や部下との関係が築けて最高の能力を発揮できるものです。
このピグマリオン効果は、特に部下教育に対して効果的です。
褒めたり認めたりすることで、本人のモチベーションが上がります。
例えば、部下が普通に仕事をこなしただけでも
「元気に挨拶がてきていてよかった。商品についても十分理解したうえで説明できていたな。自分で調べた部分もあるんだろう。次もよろしく頼むよ」
と褒めると、自分の行動を改めて振り返ることができ、さらに認められたことで自信にも繋がります。
「また褒められたい」という欲と「自分はできるんだ」という自信から、仕事に対して向上心を持ってくれます。
21.ゴーレム効果
相手を褒めて伸ばすピグマリオン効果と反対の意味を持つのがゴーレム効果です。
マイナス評価を一度与えると、その期待に応じるかのようにずっとマイナスで成績が下がり続けるというものです。
しかしやる気のない同僚、同じ失敗を繰り返す部下に囲まれていたら、向上心も下がります。
褒めて伸ばすことは最も簡単で大切な方法です。
しかし全ての人が、褒められたり認められたりすることでプラスに動くとも限りません。
ここが人間関係の難しいところです。
仮に部下が失敗したときに、過剰にかばう必要もありません。
そして、感情的に怒るとゴーレム効果によって怒られるのが当たり前になってしまいます。
「褒める」の反対は「叱る」ですが、時と場合によっては柔軟に考える必要があります。
褒めると調子に乗る人間もいれば、叱ったぶん努力する人間もいます。
僕個人の考えでは、この叱ったぶん努力する人は将来的に有望です。
しかし社員全員にそれを求めるのも不可能ですよね・・・
役立つ行動心理はたくさんありますが、全てあてはまるわけではありません。
相手によって使い分けられる柔軟さを持つことが大切です。
22.文脈効果とは
環境や状況によって、価値観が変化することを文脈効果といいます。
この文脈効果を説明するときによく使われるのが銭湯の牛乳です。
家で飲むよりも、銭湯から上がってすぐに飲む牛乳のほうが格段に美味しく感じます。
縁日での焼きそばや、屋台のラーメン、キャンプで食べるカレーなどあげるとキリがありません。
状況や付加価値によっては、従来以上の価値や満足感を得ることができます。
レトルト食品やコンビニ弁当を、そのまま割りばしで食べるのと、陶器のお皿に盛りつけてお箸で食べるだけでも違います。
こういった演出は、ビジネスのあらゆる場面で活用できます。
従来の価値のまま提供するだけでは、他社との差別化はできません。
見た目の演出はもちろん、付加価値をつけてみたり、環境との整合性を提供することで実際の価値以上に見せることが大切です。
23.バーナム効果による集客
マーケティングで有効活用できる行動心理学のひとつに、バーナム効果というものがあります。
バーナム効果を活用した例の1つが占いです。
「あなたは優しい人です。ただし冷静さを失うと人を傷つけることもあるので注意してください。」
「あなたは人前では活発です。ですが、本当はひとりで悩んでいることがありますね。」
これらはコールドリーディングとも言われています。
冷静さを失う、感情的になる、悩みを抱えるというのは誰でも人が経験していることですよね。
まずは誰にでも当てはまりそうなことを言い、相手の反応により急所の深いところを突きます。
あたかも神秘的な力で言い当てたかのように錯覚させるのも、悪徳な占いが当たると思われている要因のひとつです。
このバーナム効果を商品の宣伝に取り入れることにより、効果が飛躍することも多くあります。
不特定多数の人間に対してではなく「あなた」に対してキャッチコピーや宣伝を作ることにより、目がとまる広告に変化します。
対象が自分であると錯覚させることが可能になるのです。
全てに満足している人などいるはずがいません。
ですから「あなたは今、幸せですか?」という問いですら、自分の心を見抜かれたように感じることもあるわけです。
例えば、多重債務者に「今まで借金問題を解決できなかったあなた」と表現すると受け取り手は自分のことだと受け取ります。
今まで借金問題を解決できなかったという状態は、単に多重債務者だけに当てはまるものではありません。
債務整理をしたいと思っている人やローンの返済に困っている人にも当てはまるわけです。
まとめ
不特定多数に対し、まるで自分のことを言われているかのように伝えるバーナム効果を活用することでマーケティング、コピーライティングの幅も広がるわけです。
僕が普段から集客の前にターゲットを絞ってください!って言ってるのはこのためでもあります(笑)
24.カクテルパーティー効果で注目を集める
お祭りやパーティー、繁華街の喧騒の中で聞こえた会話にふと耳を傾けてしまうことがあります。
特定の言葉や名前、場所など、自分に関連するものや興味がある言葉は拾えるのです。
人間は無意識のうちに、多くの情報の中から自分に必要なものだけを受け入れ、他は遮断しています。
これは聴覚だけの問題ではなく、自分が見たものにも該当します。
顧客の関心を集めるためには、その人に向けられた情報であることをわかりやすく提示する必要があります。
例えば
○○が好きな人はこちら
○○をしてみたい人はここをクリック
○歳になったら○○を始めてみよう
など、カテゴリーや短文で具体的に「あなたのことですよ」と呼びかけることが大事です。
まとめ
どれだけ内容が充実していても不特定多数への情報だと最初に感じると、ただ流れていく雑音と同じで立ち止まってもらうことができません。
お客さんが私のことだ!とわかるようにすることが大事です。
25.ロミオとジュリエット効果で注目度が変わる
これは名前の通り、障害や困難があったほうが燃えるという心理効果です。
周囲から結婚を反対されたほうが燃える、ライバルに負けたくないと奮起するなど、恋愛で経験したことがある人も多いのではないでしょうか?
このロミオとジュリエット効果をビジネスで発揮させるには、その商品やサービスを手に入れることは困難だという状況を作りだす必要があります。
先着、売り切れ間近、レア商品、特定の場所でしか買えない、このように入手困難な状況を作るとその状況だけで価値があるように思えるのです。
この状況を意図的に作り出すことによって、顧客の注目度や欲しい気持ちが高まります。
さらにターゲットを絞るのも良いでしょう。
購入できる層、ひとりが買える個数を限定したり、実在の店舗であれば入り口付近が込み合っているように見せる配置にすれば繁盛店に見えます。
簡単には買えない、買えたらラッキーという意識を作り出すことが大切です。
26.すぐに断らせないテクニック
セールスマンに
「Aという商品があります。これは従来のものと比べて使いやすいですしおすすめです。いかがでしょうか」
と言われても、特に興味はわきませんしすぐに断りやすいですよね。
しかし
「A商品はデザインを重視しています。B商品は機能性を重視して軽量化されています。実際使うとなるとどちらがお好みですか?」
などと問いかけると、どちらが好みかぐらいは答えてくれるものです。
これが二者択一法、選択話法と呼ばれる、ビジネスで使われている手法のひとつです。
こうして二者択一で問いかけることにより、顧客がこちら側に一歩踏み込んでくれるのです。
AとBどちらを選んでも、購入までの話がスムーズに進みますし、好みを伝えているので断りにくくもなります。
ここで強引に話を進めるのではなく、雑談を入れたり、他の提案もするなど自然な流れで購入まで持っていきましょう。
27.フットイン・ザ・ドア(段階的要請法)で難易度の高い要求を受け入れてもらう
本来の目的の難易度が高い場合、まずは簡単な要求を提示し、徐々に難易度を上げていき最終的に本来の目的を受けてもらうという手法をフットイン・ザ・ドアといいます。
始めは比較的簡単な要求なので受けてもらえます。
お金の貸し借りが一番わかりやすいでしょう。
「手持ちが少ないから3千円貸して欲しいんだ」と頼まれた場合、社会人であればすんなりと貸してしまうでしょう。
その後「タクシーを使うかもしれないから、念のため1万円借りてもいいかな?」と言われた場合どうでしょう。
はじめに「1万円貸して欲しい」と言われた場合より負担が少ないように感じませんか。
1回3千円を貸すことに承諾しているため断りにくい心理も影響しています。
これは仕事においても有効に使えるテクニックです。
「ご意見をいただきたいので、これを試していただけませんか?」
「これをつけてみてくださいませんか」
始めに本題を出すのではなく、まずは誰でも受け入れそうな簡単な要求から始めると成功率が上がります。
28.権威への服従原理とは?
権威のある人の指示や言葉には、つい従ってしまう心理を権威への服従原理といいます。
多くの人は「相手がプロや専門家である」という認識を持っていれば、それが正しいか正しくないかを考える前に「そういうものなのだ」と受け入れてしまいます。
友人や近所の人からのアドバイスで、本当かなと?と疑ってしまうようなことでも、医師や専門家から同じことを言われると素直に従うものです。
これがビジネスでどう活用できるかというと、「特定の分野での専門家」が「協力」「実証」「お勧め」しているということが、権威への服従へとつながります。
良い評価の口コミや、魅力的な説明文も大切ですが、最もわかりやすく有効なのはこの権威への服従原理を使ったキャッチコピーです。
まとめ
「医師が証明」
「専門家が協力開発」
「評論家が絶賛」
実際にどうでしょうか。
たったこれだけで、安全性や効能・機能が優れているように感じませんか。
29.ザイオンス効果(ザイアンス効果)
この効果は単純接触効果とも言われます。
人は何度も接触することにより、信頼度と好感度が増すという効果がこのザイオンス効果です。
美容院などは、多い人でも年間に10回程度しか行かないと思います。
ですが、いつも髪を切ってもらっている美容師さんとは話が弾むんではないでしょうか?
毎回1時間くらいしか会っていないのに、話が弾むのはこれまで会った回数が関係してるわけです。
まとめ
10時間一度に会うより、10回一時間づつ会う方が信頼度と好感度が高い可能性が強いということになります。
営業マンが長々と1回で話しをするのではなく、数回に分けて会って話すことができるとこのザイオンス効果により良い結果になるはずです。
全体のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は今日から使えるビジネス心理学ということでご説明させていただきました。
マーケティングやコピーライティング、営業から社員育成まで幅広い分野で使えると思います。
相手が人なので当たり前といえば、当たり前なんですがね(笑)
是非あなたの会社でもこの心理効果使ってみて、売上を上げてくださいね。